電動キックボードの利用者が急増し、それに伴い検挙件数が増加しています。
特に、2023年7月の法改正後、免許不要の条件が加わったことが利用者の急増を後押ししました。
警察庁によると、改正法施行から1年間で検挙数は2万5156件に達し、その55%が歩道走行の「通行区分違反」でした。
電動キックボードは車道走行が基本で、歩道走行は時速6キロ以下などの条件付きだが、違反者が続出している。
以下に、電動キックボードの検挙が高止まりしている主な理由を詳しく解説します。
目次
検挙が高止まりしている理由
利用者の急増
2023年7月に行われた法改正により、一定条件下で電動キックボードの運転に免許が不要となりました。
この改正がきっかけとなり、電動キックボードの利用者は急増しました。特に都市部では、通勤や買い物などの短距離移動手段として、電動キックボードを選ぶ人が増えました。
この急激な利用者の増加は、検挙件数の増加にもつながっています。
免許不要という認識が、利用者が交通ルールやマナーを軽視する原因となり、違反行為が頻発する結果となっているのです。
交通ルール・マナー違反
電動キックボードの利用において、交通ルールやマナーが守られていないケースが多く見られます。特に、次の違反が多発しています。
通行区分違反
電動キックボードの利用者は、歩道や自転車道、車道などの通行区分を守らずに走行することが多く、これが事故や違反を引き起こす要因となっています。
特に歩道を走行することが多く、歩行者との接触や事故のリスクが高まっています。
信号無視や一時不停止
信号無視や一時不停止も頻繁に見られ、これも交通事故を引き起こす原因となります。
信号無視によって、交差点での事故が発生するリスクが増大しています。
また、一時停止を守らないことで、他の道路利用者との衝突の可能性が高くなります。
飲酒運転
電動キックボードを運転する際に飲酒運転をしているケースも報告されています。
アルコールが運転能力に与える影響を軽視し、事故を引き起こす危険が高まっています。
これらの違反は、交通ルールに対する理解不足から起きていることが多いです。
法改正後、免許不要という認識が広がったことにより、交通ルールやマナーの重要性が軽視されがちです。
利用者の知識不足
電動キックボードの利用者には、交通ルールや安全運転に関する知識が不足している場合が多いです。
この知識不足が、違反行為や事故の原因となることが多く、特に都市部などではその問題が顕著に現れています。
法改正後、免許不要で気軽に乗れるという認識が広がった結果、多くの人々が十分な教育や準備をせずに運転を始めてしまっています。
このことが、事故を引き起こすリスクを高めているのです。特に以下の点で問題が指摘されています。
原付免許の必要性
電動キックボードの中には、原付免許が必要なモデルもありますが、このことが十分に周知されていないため、無免許で運転する人が多くいます。
免許不要という認識が広まる中で、原付免許が必要な場合があることを理解していない利用者が増えているのです。
交通ルールの理解不足
多くの利用者は、自転車と同じような感覚で電動キックボードを運転していますが、実際には車両としての運転ルールを守らなければなりません。
特に信号や一時停止、右左折の際の注意義務などを守らないことが多く、これが違反や事故を引き起こしています。
車体の特性
電動キックボードの車体特性が、運転の難しさや事故の原因となることが多いです。
特に、小さなタイヤと立ち乗りの構造という特徴が、安全運転を難しくし、運転者にとっては予期しない事故を引き起こす要因となっています。
不安定な乗り心地
電動キックボードは、小さなタイヤと立ち乗りの構造を持っています。
このため、非常に不安定であり、急発進や急ブレーキが危険を伴います。舗装が悪い道路や混雑した場所では、安定性が低くなり、制御が難しくなることがあります。
急発進や急ブレーキのリスク
電動キックボードは軽量でパワフルなため、急発進や急ブレーキが容易にできますが、この操作が事故を引き起こす原因となることがあります。
特に、混雑した道や信号の変わる瞬間に急に速度を上げたり、急に停止したりすることが多く、周囲との衝突リスクが増大します。
規格の不統一
電動キックボードには、メーカーによって性能や仕様が異なるものがあります。
例えば、最高速度やバッテリーの持ち、制動力が異なり、利用者が自分の車両の性能を正しく理解していない場合があります。
これにより、車両の特性に合った運転ができず、違反や事故を引き起こす原因となっています。
また、規格の不統一は、電動キックボードの利用に関する法整備を複雑にする要因ともなります。
どの車両がどの条件下で利用できるのかが曖昧であり、利用者が誤った認識を持つことが多くなります。
まとめ
- 急激な利用者数の増加
- 交通ルールの理解不足
- 車体の特性による不安定さ
- 規格の不統一
特に、免許不要という法改正後の認識が、交通ルールや安全運転への意識を低下させていることが大きな要因です。
今後は、利用者への交通ルール教育や安全運転啓蒙活動の強化、規格統一が求められます。安全な利用には、利用者の責任意識と社会全体での安全対策が必要です。