103万円の壁を超えることで、年収の手取り収入にどのような影響がある? | novaニュース

103万円の壁を超えることで、年収の手取り収入にどのような影響がある?

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年収103万円の壁は、税金や社会保険料に大きな影響を与える重要な境界線です。

この壁を超えることで、所得税や住民税、さらには社会保険料が増加し、手取り額に影響を与えるため、家計への影響をしっかり把握しておくことが大切です。

本記事では、年収103万円を超えた場合にどのような負担が増えるのか、わかりやすく解説します。

📊 103万円の壁

所得税が発生する仕組み

年収が103万円を超えると、所得税が発生することになります。しかし、すべての収入に直接税金がかかるわけではなく、まず最初に控除を差し引くことができます。控除というのは、税金を計算するために収入から引かれる金額のことです。103万円を超えるとどのように課税されるのかを詳しく見ていきましょう。

所得税の基本的な計算方法

所得税は、収入から一定の金額を差し引いた後に、残りの金額に対して課税されます。これを「課税所得」といいます。年収が103万円を超えると、超過分に対して所得税がかかります。そのため、最初に控除を差し引いて課税所得を計算し、それに対して税金をかけることになります。

  • 基礎控除: 48万円(すべての納税者に適用される控除)
  • 給与所得控除: 55万円(給与所得者に適用される控除)

これらの控除を差し引いた後の金額が、実際に税金がかかる「課税所得」となります。例えば、年収が120万円の場合、次のように計算されます。

年収120万円 – 基礎控除48万円 – 給与所得控除55万円 = 17万円

そのため、課税所得は17万円となり、これに対して税金がかかります。

所得税の税率と金額

日本の所得税は段階的に税率が決まっており、収入が増えると税率も高くなりますが、103万円を少し超える程度の収入であれば、最初の部分には低い税率が適用されます。具体的には、年収が195万円未満であれば、所得税率は 5% です。この場合、課税所得が17万円であれば、以下のように計算されます。

17万円 × 5% = 8,500円

この金額が、年収120万円に対して支払うべき所得税額となります。しかし、所得税だけでは終わりではありません。

復興特別所得税の課税

所得税に加えて、復興特別所得税も課税されます。これは東日本大震災からの復興支援のために設けられた税金で、所得税額に対して 2.1% が上乗せされます。具体的には、先ほどの所得税額8,500円に対して、復興特別所得税がかかります。

8,500円 × 2.1% = 約180円

これを加算すると、最終的な税額は次のようになります。

8,500円 + 180円 = 8,680円

つまり、年収120万円の場合、所得税と復興特別所得税を合わせると 約8,680円 の税金を支払うことになります。

住民税の増加

年収が103万円を超えると、住民税も増加します。住民税は地方自治体に納める税金で、所得税とは異なり、地域によって税率が異なります。住民税には「所得割」と「均等割」の2種類がありますが、年収が103万円を超えると、どのように変動するのでしょうか?

所得割と均等割

住民税は主に以下の2つから成り立っています。

  • 所得割: 課税所得に対して約10%の税率(自治体によって異なる)
  • 均等: 5,000円(一定額で、収入に関係なく支払う必要がある)

年収120万円の場合、住民税の計算は次のようになります。

  • 所得割: 17万円 × 10% = 17,000円
  • 均等割: 5,000円

このように、住民税の合計額は 22,000円 となります。住民税は、収入に比例して増えるため、年収が103万円を超えると税額が増加することになります。住民税は毎年定額で支払う必要があり、給与から天引きされるため、手取り額に影響を与えることになります。

配偶者控除への影響

配偶者控除は、主に扶養者に対して税額を軽減するための制度ですが、年収が103万円を超えると、配偶者控除の適用を受けられなくなる場合があります。配偶者控除がなくなると、扶養している配偶者の税金が増加することになります。

配偶者控除とは?

配偶者控除は、配偶者が年収103万円以下の場合に、税金が軽減される制度です。しかし、年収が103万円を超えると、配偶者控除が適用されなくなり、扶養者の税金が増えてしまうことになります。これにより、家庭全体の税負担が増加する可能性があります。

影響の具体例

もしあなたが扶養する配偶者が103万円未満の収入の場合、配偶者控除を受けることができ、税金の負担が軽減されます。しかし、配偶者の年収が103万円を超えると、控除がなくなり、その配偶者自身の所得税が増加します。これにより、家庭内での税金負担が増えるため、家計全体の支出が増加することになります。

社会保険料の発生

年収が106万円または130万円を超えると、社会保険への加入が義務付けられ、保険料の負担が発生します。社会保険料は、給与から天引きされるため、手取り額に大きな影響を与えることがあります。社会保険料には健康保険や年金、雇用保険などが含まれますが、これらの保険料がどのように変動するのでしょうか?

106万円の壁

年収が106万円を超えると、従業員数51人以上の企業で働いている場合、社会保険に加入する必要があります。これにより、健康保険や年金などに保険料を支払うことになります。社会保険料は、給与の一部が天引きされるため、手取り額が減少します。            詳しくはこちら

130万円の壁

さらに年収が130万円を超えると、従業員数50人以下の企業でも社会保険に加入することが求められます。これによって、社会保険料負担が増加することになります。社会保険料は、年収が高くなるほど負担が増え、手取り額が減少するため、年収の増加が必ずしも手取り収入の増加につながるわけではありません。

社会保険料の負担増

社会保険料は、給与が増えるとその分だけ負担が増えます。年収が増えることで総合的な負担が増えるため、収入が増えても手取り額があまり増えない場合があるのです。この点を考慮して、年収が増えることでどのように負担が増加するかを理解しておくことが重要です。

具体的な影響の例

年収120万円の場合、税金や社会保険料の負担がどれくらい増えるのかを見てみましょう。具体的には、次のような計算が成り立ちます。

  • 所得税: 約8,500円
  • 復興特別所得税:

まとめ

  • 年収103万円を超えると所得税が発生
  • 所得税は基礎控除と給与所得控除を差し引いて計算
  • 例: 年収120万円の場合、所得税約8,500円
  • 住民税が103万円超で増加、約22,000円
  • 年収103万円超で配偶者控除が適用されない
  • 106万円超で社会保険加入義務発生
  • 130万円超で社会保険料負担増加

🍓年収103万円を超えると、税金や社会保険料の負担が大きく変わるため、収入増加が手取り額に与える影響をしっかり理解しておくことが大切です。特に配偶者控除や社会保険への加入義務が関わってくるため、将来的な生活設計に役立つ情報となります。自分の収入や支出のバランスを見直すことで、より効果的な家計管理ができるでしょう。