タモリ「世田谷にもクマ来るかも」発言に反響　専門家が語る都市の“通り道”とは

タモリ「世田谷にクマが来るかも」　番組で語った都市の“危うい境界線”

11月7日に放送されたテレビ朝日系「タモリステーション」では、クマが人間の生活圏へ侵入する“アーバンベア”現象を特集。
近年、北海道や東北に限らず、関東や中部でもクマの目撃が相次いでいる。
番組では、タモリが「川沿いを伝って雑木林を進むと、世田谷にも来る可能性がありますよね」と発言し、スタジオがどよめいた。

専門家は「今すぐではないが、野生動物の通り道は確実にできている」と指摘。
すでにイノシシやサルが都内23区に出没しており、「環境が整えばクマが入る可能性も十分ある」と説明した。

東京の“緑の帯”が通り道に　専門家の警鐘

番組で専門家は「動物が移動するルートは、川や緑地など“連続した自然帯”を通して形成される」と説明。
多摩川や野川などが郊外と都心をつなぐ生態回廊となっており、「イノシシやサルに続き、クマもそのルートを使う可能性がある」と語った。
特に夜間や早朝、人の活動が少ない時間帯が“移動のチャンス”になるという。

「都市は安全」と言えない時代に　タモリの鋭い視点

タモリは番組内で「東京に住んでるから安全とは言えないですね」と語り、都市の中にも自然と野生のリスクが共存している現状を指摘した。
近年、東京都西部ではクマの痕跡が確認されており、八王子や奥多摩では目撃情報も増えている。
SNSでは「タモリの予言、あり得るかも」「冗談じゃなくなってきた」と反響が広がった。

「通り道はできている」　専門家が語る野生動物の新しい現実

専門家は番組内で、「すでに猿やイノシシは都心部に入り込んでいる。野生動物が都市に来ること自体は“異常”ではなくなっている」と語った。
都市近郊には里山や公園などの緑地が点在し、それらが“自然の回廊”として機能している。
「野生動物が移動する道筋は、人間がつくった都市構造そのものの中に存在している」とも指摘した。

さらに、廃校や空き地、放置された農地などが一時的な“隠れ場所”となるケースもあるという。
都市化の進行と人口減少が進む中で、人と動物の距離が再び近づいているのだ。

① 郊外の森林から移動開始 → ② 川沿い・緑地帯を経由 → ③ 住宅地近くの雑木林に滞在 → ④ 食料探索 → ⑤ 都市部侵入・目撃情報発生

FAQ：タモリ発言と都市型クマ問題Q&A

タモリが示した「都市の盲点」　クマ問題が映す現代社会のリアル

「自然と切り離された都市」という前提が、すでに成り立たなくなっている。
クマの話題を通じて、タモリが提示したのは“都市の安全神話”への問いかけだ。
生態系の変化や土地利用の偏りが、思わぬかたちで人間の生活圏へ返ってきている。

番組は単なるバラエティではなく、現代の都市と自然の関係を考えさせる社会的ドキュメントとなった。
視聴者の間では「笑いの裏に環境メッセージがある」との声も多く、タモリらしい知的な切り口が反響を呼んでいる。

“世田谷にクマが来る日”は、遠い未来の話ではないかもしれない。
その予兆をどう受け止め、どんな都市の形を選ぶのか──いま、問われているのは人間のほうだ。