「入会金0円」という言葉に惹かれて英会話を始めようと思った人は多いかもしれません。
しかし、その表示が本当ではなかったとしたら――。
本記事で取り上げる英会話スクール「NOVA」と、当ブログの名称に含まれる「nova」という語句には一切の関係がありません。
以下では、実際に問題視された広告表示について、消費者庁の措置命令内容をわかりやすく解説します。
英会話スクール大手「NOVA」が、実際には入会金を徴収していなかったにもかかわらず、「2万2000円→0円」とするキャンペーンを掲げていたことが問題視され、消費者庁が景品表示法違反(有利誤認)で措置命令を出しました。
今回の事案は、広告表示の“信頼”を揺るがす象徴的なケースとして注目されています。
事件の概要と消費者庁の判断
2025年10月17日、消費者庁は英会話スクール「NOVA」を運営する株式会社NOVAランゲージカンパニー(東京都)に対し、再発防止を求める措置命令を出しました。
同社は2023年9月〜2024年4月、自社サイト「NOVA駅前留学」で「通常2万2000円の入会金が0円になる」と宣伝。しかし実際には、その前に入会金を徴収した例がなく、実態のない割引表示と判断されました。
なぜ不当表示が発覚したのか
監視機関や消費者からの通報をきっかけに調査が進められたとみられます。
NOVAは全国約300教室を運営する大手であり、影響範囲の広さから消費者庁が厳重に確認。
結果、「価格比較の基準が存在しない」ことが判明し、景品表示法違反(有利誤認)にあたると認定されました。
背景にあるキャンペーン競争
英会話業界では「入会金無料」「初月半額」などのキャンペーン合戦が激化しています。
実際には常時割引状態であったり、「通常価格」が事実上存在しないケースも多く、今回の事例はその象徴的な一件といえます。
- 「入会金0円」表示に実態なし
- 2023年9月〜2024年4月の宣伝が対象
- 消費者庁が景品表示法違反で措置命令
- 再発防止と広告審査体制の見直しを指導
専門家の見解と法的ポイント
弁護士の中村俊介氏は「“0円キャンペーン”は誤認リスクが高く、常時実施の場合は『値引きの根拠』が必要」と指摘。
消費者庁の措置は、広告の実態と表示内容の整合性を企業がいかに確保しているかを問うものであり、今後の業界にも影響を与えると見られます。
SNSで広がる批判と不信感
X(旧Twitter)では「結局ずっと0円ならキャンペーンじゃない」「こういう広告よく見る」といった投稿が多数。
教育業界だけでなく、エステや通信など他業種にも「広告表示の見直しを」という声が広がっています。
企業の対応と今後の展望
NOVAランゲージカンパニーは「指摘を真摯に受け止める」とし、社内広告審査の強化を発表。
第三者による監査導入も検討中で、信頼回復に向けた対応を進めるとしています。
社会的影響と再発防止の課題
今回の事例は、消費者に誤解を与える“キャンペーン表示”の危険性を浮き彫りにしました。
消費者庁は今後も教育・通信分野の広告監視を強化。
消費者にも、広告文言をうのみにせず、料金体系を確認する意識が求められます。
FAQ
Q1:NOVAの「入会金0円」は無料ではなかった?
A:実際には入会金を徴収していなかったため、「割引」と言える根拠がなく誤認と判断されました。
Q2:景品表示法の「有利誤認」とは?
A:実際よりも有利だと誤解させる宣伝を禁じる法律上の規定です。
Q3:今後、同様のケースは増える?
A:教育・美容・通信などの業界で、広告の整合性を問う行政指導が強化される見込みです。
「お得」という言葉の裏に潜む誤認リスク。
NOVAの表示問題は、広告と実態の乖離が企業の信頼をいかに損なうかを示しました。
今後は透明性と誠実さが、企業ブランドの基盤となる時代です。