高速道路逆走事故は、なぜ起きるのか?防止策を探る

高速道路での逆走事故は、深刻な交通トラブルの一つです。特に死亡事故に直結する危険性が高く、対策が急務となっています。

この記事では、2025年4月26日に栃木県那須塩原市の東北自動車道で発生した重大事故を踏まえ、事故の概要と防止策について詳しく解説します。

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目次

栃木県東北自動車道逆走事故の概要

4月26日午後10時ごろ、那須塩原市の東北自動車道上り線で、黒磯板室ICから進入した車が約3キロ逆走し、最初に1台と接触後、別の車と正面衝突。

逆走車を運転していた(42)と、衝突された運転手(56)が死亡。事故渋滞の列にトラックが追突し、追突された(60)も死亡、10人がけが。トラック運転手は逮捕されました。

高速道路で逆走が起きる主な原因

進行ルートの誤認や分岐ミス

インターチェンジやジャンクションで進行方向を間違えることが、逆走事故の大きな原因です。

分岐を間違えたドライバーが本来のルートに戻ろうとした結果、逆走してしまうケースが多く見られます。

一般道からの誤進入

高速道路の出口側から一般道と勘違いして侵入し、そのまま逆走する事例もあります。

特に深夜や早朝の時間帯に発生しやすい傾向が指摘されています。

認知能力や判断力の低下

過去の統計では、逆走運転者の68パーセントが65歳以上、さらにその中でも46パーセントが75歳以上を占めています。

認知機能の低下による進路判断ミスが大きな要因となっていますが、若年層や中年層でも油断や疲労が影響することがあります。

逆走が発生しやすい場所

逆走は特に以下の場所で多く発生しています。

分合流部と出入口部

逆走発生地点のうち、37パーセントが分合流部や出入口部で起きています。

進行方向の選択を迫られる場面で、判断ミスが生じやすいからです。

料金所付近

料金所周辺も逆走が目立つエリアです。

支払いレーンを間違えた場合に後戻りしようとする動きが逆走につながる場合があります。

単路部

単路部と呼ばれる本線区間でも逆走は起こります。

パーキングエリアやサービスエリアから誤って本線に戻ろうとした際に、方向を間違えるケースが見られます。

逆走を防ぐための主な対策

高速道路会社や関係機関は、逆走防止のためにさまざまな取り組みを行っています。

進行方向を示す矢印標示や高輝度標識

分合流部や出入口部では、進行方向を明確に示す矢印を路面に表示し、逆走防止を図っています。

夜間でも視認しやすい高輝度の標識も設置されています。

ラバーポールや防眩板の設置

分岐部には、逆進入を防ぐためのラバーポールや視線誘導用の防眩板が設置され、物理的に逆走を阻止する仕組みが増えています。

注意喚起の強化

「進入禁止」などの看板や標識の大型化や点滅化によって、ドライバーに強い注意喚起を促しています。

特に高齢ドライバー向けには、わかりやすい表示が重視されています。

逆走車両感知システム

カメラやセンサーを使って逆走車を検知し、電光掲示板などで周囲車両に警告を出すシステムも導入されています。

速やかな情報共有が被害の拡大を防ぎます。

物理的対策の導入

ウェッジハンプと呼ばれる突起や、路面に錯覚効果を与える特殊な塗装を施すことで、ドライバーの注意を引き逆走を防止する試みも進められています。

重点対策区域の設定

過去に逆走が多発した場所については、特別な防止策が強化されています。

警告表示を二重三重に設置し、物理的なバリアの導入も検討されています。

ドライバー自身ができる逆走防止の行動

逆走を防ぐためにはドライバー、 一人ひとりの意識と行動が不可欠です。

標識や矢印の確認

走行中は常に標識や路面矢印を確認し、自分の進行方向に間違いがないかを意識することが重要です。

間違えても決してバックしない

インターチェンジや分岐を間違えても、絶対にその場でバックしたり、逆走したりしてはいけません。

次の出口で降りるか、安全な場所で停車して助けを呼ぶ判断が必要です。

疲労や体調不良時は運転を控える

体調が万全でないと判断力が鈍ります。

特に長距離運転時は、こまめに休憩を取り、異変を感じたら無理に運転を続けないことが大切です。

運転前チェックの徹底

出発前には必ずルートを確認し、目的地までの道順を把握しておきましょう。

カーナビの使用も効果的ですが、ナビに頼りすぎない意識も必要です。

栃木県東北自動車道事故を踏まえて考える課題

今回の事故は、これまで高齢運転者が中心と考えられてきた逆走問題に対して、40代運転手の逆走という新たな視点を突きつけました。

若い世代でも疲労やストレス、判断ミスにより重大事故を起こすリスクがあることを改めて認識する必要があります。


高速道路を管理する側だけでなく、ドライバー個々の意識改革も不可欠です。

人ごとではないという認識を広め、社会全体で逆走ゼロを目指す取り組みが求められています。

まとめ

  • 高速道路逆走は、判断ミスや進行ルート誤認で起きます。
  • 逆走防止には、矢印標示や高輝度標識が効果的です。
  • 逆走を検知するセンサー技術も、普及しています。
  • 運転中は、標識確認と冷静な行動が重要です。
  • 疲労や体調不良時の運転は、避けましょう。
  • 社会全体で、逆走ゼロを目指す意識改革が必要です。

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