日本人の旅行離れが深刻化!円安と高騰が奪う余暇

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山岳風景の中に建つ高層ビル中央に「novaニュースセブン」の文字が入ったイメージ

円安の影響とインバウンド需要の急増により、ホテル価格の高騰や観光地の混雑が続く中、日本人の旅行離れが深刻化しています。国内旅行者数は2025年1月から前年比で減少傾向が続き、海外旅行者数は驚くことに30年前の水準に逆戻りしています。観光立国を掲げる日本で、なぜ肝心の日本人が旅行を楽しめなくなっているのでしょうか。

この異常事態は単なる一時的な現象ではなく、経済格差の拡大や生活費の上昇といった構造的な問題を浮き彫りにしています。オーバーツーリズムだけでは説明できない、日本人から旅を楽しむ余裕を奪う深刻な現状について、データを交えながら詳しく見ていきましょう。あなたも最近、旅行を諦めたり延期したりした経験はありませんか?

この記事で得られる情報

ニュース概要:日本人の国内・海外旅行者数が減少

2025年の観光庁「宿泊旅行統計調査」によると、日本人の延べ宿泊者数は8月が5,214万人泊(前年同月比-1.5%)、9月は4,198万人泊(前年同月比-1.6%)と、いずれも前年を下回る結果となりました。特に注目すべきは、2025年1月から一貫して前年同月比を下回っている点です。2月は-7.5%、4月は-5.2%と大幅な落ち込みを記録しました。

一方で、海外旅行者数も厳しい状況が続いています。2024年の日本人海外旅行者数は1,300万7,282人(前年比35.2%増)と回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス以前の2019年の2,008万669人と比較すると約65%の水準にとどまっています。この1,300万人という数字は、ちょうど30年前の1994年の海外旅行者数(1,357万8,934人)とほぼ同水準です。

対照的に、訪日外国人旅行者数は2025年10月に389万6,300人を記録し、10月として過去最高を更新。2024年の年間3,687万148人を上回るペースで推移しています。日本人が旅行から遠ざかる一方で、外国人旅行者は増加し続けるという、極めて対照的な状況が生まれているのです。

発生した背景・社会的要因

日本人の旅行離れを引き起こしている最大の要因は、円安の長期化とインバウンド需要の急増によるホテル価格の高騰です。2024年以降、主要観光地のホテル料金は前年比で30〜50%上昇するケースも珍しくなく、従来気軽に利用できた国内リゾートや都市部のホテルが、日本人にとって手の届きにくい価格帯になっています。

さらに、円安は海外旅行のコストも押し上げています。1ドル150円前後で推移する為替相場では、海外での宿泊費や食費、交通費などすべてが割高になり、従来なら手頃だった東南アジアや韓国への旅行すら、家計に大きな負担となっています。

旅行離れの主な背景要因

  • 円安の長期化:海外旅行のコストが大幅に増加し、1ドル150円前後の水準が続く
  • インバウンド需要:外国人旅行者の増加により国内ホテルの需給が逼迫
  • 物価上昇:食品や光熱費などの生活必需品の値上がりが家計を圧迫
  • 実質賃金の低下:名目賃金は上がっても物価上昇に追いつかず可処分所得が減少
  • オーバーツーリズム:観光地の混雑により旅行の満足度が低下

加えて、物価上昇による家計への圧迫も無視できません。食品や光熱費などの生活必需品が値上がりし、実質賃金が低下する中で、旅行などの「余暇支出」は真っ先に削減対象となります。特に子育て世帯や年金生活者にとって、旅行は贅沢品として諦めざるを得ない状況になっています。

影響を受けた生活者・地域の声

旅行離れの影響は、旅行を楽しみにしていた一般消費者に直接的な打撃を与えています。特に家族旅行を計画していた子育て世帯からは、「夏休みの旅行を毎年楽しみにしていたが、ホテル代が高すぎて今年は断念した」「近場の温泉でさえ1泊2万円を超えるようになり、家族4人では手が出ない」といった声が聞かれます。

また、退職後の楽しみとして国内旅行を計画していたシニア層からも不満の声が上がっています。「年金生活では以前のように気軽に旅行できなくなった」「観光地が外国人だらけで落ち着いて楽しめない」といった意見が多く、旅行の質的な満足度の低下も問題視されています。

一方、地方の観光地では複雑な状況が生まれています。インバウンド需要で潤う一部の有名観光地がある一方で、外国人旅行者があまり訪れない地域では日本人旅行者の減少がそのまま売上減につながっています。地方の温泉旅館や観光施設の経営者からは、「インバウンドの恩恵を受けられず、日本人客も減って経営が厳しい」という声も聞かれます。

金額・人数・生活負担への影響

具体的な数字で見ると、旅行離れの深刻さがより鮮明になります。観光庁のデータによると、2025年は1月から9月まで連続して日本人の延べ宿泊者数が前年同月比でマイナスを記録しており、年間で数百万人規模の宿泊者減少が見込まれています。

ホテル価格の上昇率も顕著です。主要都市部では前年比30〜50%の値上がりが報告されており、以前なら1泊1万円程度で泊まれたビジネスホテルが1万5,000円〜2万円に、2万円程度だった中級ホテルが3万円以上になるケースが増えています。家族4人で2泊3日の旅行をする場合、宿泊費だけで10万円を超えることも珍しくありません。

海外旅行においては、円安の影響がさらに深刻です。例えば1ドル110円だった2019年と比較して、1ドル150円の現在では同じ金額のドルを得るのに約36%多くの円が必要になります。ハワイ旅行の場合、以前なら1人15万円程度で楽しめた旅行が、現在は20万円以上かかるようになっています。

この結果、家計における旅行支出の優先順位が大きく下がっています。総務省の家計調査によると、教養娯楽費全体が抑制傾向にあり、特に旅行関連支出の削減が顕著です。月収30万円の世帯では、以前なら月1万円程度を旅行貯蓄に回せたものが、物価上昇で生活費が増えた結果、旅行貯蓄を続けられなくなっているケースが増えています。

行政・自治体・関係機関の対応

政府は観光立国を掲げ、訪日外国人旅行者数の増加を目標に掲げてきましたが、日本人の旅行離れについては具体的な対策が遅れています。観光庁は国内旅行の需要喚起策として、地域観光事業支援やワーケーション推進などを打ち出していますが、根本的なホテル価格高騰への対応策は示されていません。

一部の自治体では、独自の旅行支援策を実施しています。県民割や市民向け宿泊割引などを導入し、地元住民が地域内で旅行しやすくする取り組みが見られます。しかし、これらは限定的な効果にとどまっており、全国的な旅行離れの流れを変えるには至っていません。

観光業界団体も問題を認識し始めています。日本旅行業協会(JATA)は、インバウンド偏重ではなく国内旅行需要の回復も重視すべきだと提言していますが、個々のホテルや旅行会社は収益性の高いインバウンド客を優先せざるを得ない状況です。

また、オーバーツーリズム対策として、京都市や鎌倉市などの観光地では入域料の導入や観光客の分散化策が検討されていますが、これらは外国人旅行者の管理が主眼であり、日本人旅行者の利便性向上には必ずしもつながっていません。

専門家の分析:構造的問題としての旅行離れ

旅行ジャーナリストや経済学者は、今回の旅行離れを一時的な現象ではなく、構造的な問題として捉えています。最大の要因は、日本人の購買力低下と世界的な物価上昇のギャップです。

経済アナリストは、「日本は過去30年間、賃金がほとんど上がらない一方で、世界的にはインフレが進行してきました。その結果、相対的に日本人の購買力が大きく低下し、国内でも海外でも『旅行は高嶺の花』になってしまったのです」と指摘します。

観光経済学の専門家は、インバウンド偏重の観光政策に警鐘を鳴らしています。「外国人旅行者の増加は短期的には経済効果がありますが、国内の観光資源が外国人向けに最適化され、日本人が自国の観光を楽しめなくなるのは本末転倒です。観光は本来、国民の生活の質を高めるためのものであるべきです」との見解を示しています。

専門家が指摘する構造的問題

  • 賃金停滞:30年間賃金が上がらず相対的な購買力が大幅に低下
  • 二極化:富裕層は旅行を楽しめるが中間層以下は旅行を諦める格差の拡大
  • 政策の偏り:インバウンド重視で国内旅行需要への配慮が不足
  • 供給制約:宿泊施設の増加が需要に追いつかず価格高騰が続く
  • 文化的影響:旅行文化の衰退が次世代の旅行習慣にも影響

また、労働環境の専門家は、有給休暇の取得率の低さや長時間労働も旅行離れの一因と分析しています。「時間的・金銭的余裕がなければ旅行は楽しめません。働き方改革が進まない限り、根本的な解決は難しいでしょう」と述べています。

SNS・世間の反応:生活者の実感

SNS上では、日本人の旅行離れに関する投稿が急増しています。特に目立つのは、ホテル価格への驚きと失望の声です。「久しぶりに旅行を計画したら、以前泊まったホテルが倍の値段になっていて愕然とした」「国内旅行より海外旅行の方が安い時代になってしまった」といったコメントが多数見られます。

子育て世帯からは、「子どもに旅行の経験をさせたいけど、家計的に厳しくて年1回も行けない」「ディズニーランド周辺のホテルが高すぎて、日帰りしか選択肢がない」といった切実な声も上がっています。

一方で、工夫して旅行を楽しむ人々の声もあります。「平日に有給を取って閑散期に旅行すれば、まだ手頃な価格で楽しめる」「地元の観光地を再発見するのも意外と楽しい」といった前向きな意見も見られます。

興味深いのは、若年層からの「旅行に興味がない」という声です。「お金がないから行けないというより、そもそも旅行に魅力を感じない」「SNSで見た気になってしまう」といったコメントもあり、価格問題だけでない旅行離れの側面も浮かび上がっています。

今後の見通し・生活への広がり

今後の見通しについては、専門家の間でも意見が分かれています。楽観的な見方としては、円高への転換や賃金上昇が実現すれば、旅行需要は回復する可能性があります。実際、2025年後半には一部で円高傾向も見られ、若干の改善の兆しはあります。

しかし、多くの専門家は慎重な見方を示しています。構造的な賃金停滞が続く限り、一時的な円高や補助金では根本的な解決にはならないという指摘です。特に中間層の所得が伸び悩む中で、旅行は「特別なイベント」から「贅沢品」へとポジションが変わりつつあります。

この影響は観光業だけでなく、関連産業にも波及しています。交通機関、飲食業、土産物店など、観光関連ビジネスは日本人旅行者の減少で売上が減少し、雇用への影響も懸念されています。特に地方の観光地では、インバウンドの恩恵を受けられない地域ほど深刻な状況です。

さらに懸念されるのは、文化的な影響です。子ども時代に家族旅行の経験が少ない世代が増えれば、将来的に旅行文化そのものが衰退する可能性があります。観光立国を目指す日本にとって、自国民が旅行を楽しめない状況は、長期的な観光産業の持続性にも疑問を投げかけています。

よくある質問(FAQ)

Q1: なぜ日本人の旅行者だけが減っているのですか?

A: 主な理由は円安による購買力の低下とホテル価格の高騰です。外国人旅行者にとっては円安でお得に感じる日本の物価も、収入が増えていない日本人にとっては単なる値上がりです。加えて、インバウンド需要でホテルが逼迫し、日本人向けの手頃な宿泊施設が減少していることも大きな要因です。

Q2: 海外旅行者数が30年前の水準というのは本当ですか?

A: はい、事実です。2024年の日本人海外旅行者数は約1,300万人で、これは1994年の約1,357万人とほぼ同水準です。コロナ前の2019年には2,008万人いたことを考えると、約700万人も減少しています。円安で海外旅行のコストが大幅に上昇したことが主な原因です。

Q3: 国内旅行を安く楽しむ方法はありますか?

A: いくつかの工夫があります。平日や閑散期を狙う、早期予約で割引を利用する、地方自治体の県民割などの支援制度を活用する、民泊やゲストハウスを選ぶ、近場の観光地を日帰りで楽しむなどの方法があります。また、旅行サイトの比較検討や、直前割引の活用も有効です。

Q4: 政府は何か対策をしていますか?

A: 観光庁は地域観光事業支援やワーケーション推進などを実施していますが、ホテル価格高騰への直接的な対策は限定的です。一部の自治体が独自に県民割や宿泊割引を提供していますが、全国的な旅行離れの流れを変えるほどの効果はまだ出ていません。インバウンド重視の観光政策の見直しを求める声も上がっています。

Q5: この状況はいつまで続きますか?

A: 明確な見通しは立っていません。円高への転換や賃金上昇が実現すれば改善の可能性はありますが、日本の構造的な賃金停滞を考えると、短期的な解決は難しいと多くの専門家が指摘しています。インバウンド需要が落ち着けばホテル価格も多少下がる可能性はありますが、根本的には日本人の所得向上が鍵となります。

まとめ:旅行は贅沢品になったのか

日本人の旅行離れは、単なる一時的な現象ではなく、30年間の賃金停滞と世界的なインフレのギャップが生み出した構造的な問題です。国内旅行者は2025年1月から連続して前年割れし、海外旅行者数は30年前の水準に後退するという異常事態が続いています。

円安とインバウンド需要によるホテル価格の高騰は、かつて気軽に楽しめた国内旅行を「贅沢品」に変えてしまいました。家族旅行を諦める子育て世帯、年金生活で旅行を控えるシニア層、そもそも旅行に興味を失いつつある若年層——日本人から旅を楽しむ余裕が失われつつあります。

観光立国を掲げる日本が、自国民の旅行を犠牲にしてインバウンドを優先するのは本末転倒です。旅行は単なる経済活動ではなく、家族の思い出を作り、心身をリフレッシュし、文化を体験する大切な機会です。この状況を放置すれば、日本の旅行文化そのものが失われかねません。

根本的な解決には、賃金上昇と購買力の回復が不可欠です。同時に、観光政策においても、インバウンドと国内旅行需要のバランスを取り、日本人が自国の観光を楽しめる環境を整備することが求められています。旅行を再び「特別だけど手の届く楽しみ」に戻すために、今こそ行動が必要です。

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※当ブログは英会話教室「NOVA」とは一切関係ありません。ブログ名、ドメインに含む「nova」は偶然の一致です。

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