日本の新幹線で、自分の指定席に外国人が座っていたという体験がSNSやニュースで広がっています。
こうした状況は「マナー違反」や「不正乗車」と単純に片づけられない複雑な背景を持っています。
なぜこのようなトラブルが起きるのか、新幹線の座席制度や観光客との認識ギャップ、そして今後の対策までを詳しく解説します。
後半では指定席制度の基本情報や「のぞみ」の最新動向についてもまとめています。
- 指定席の基本情報
- 指定席のとり方
- トラブルの背景
新幹線は全部指定席ですか?

指定席と自由席の違い
全車指定席ではないのが基本ですが、列車の種類によって事情は異なります。
例えば「こだま」「やまびこ」「つばさ」などでは自由席車両がありますが、「はやぶさ」などは元から全席指定です。
混在型が多い理由
日本では多様なニーズに応えるため、自由席と指定席を混在させることが一般的です。
時間に余裕のある人は安価な自由席、確実に座りたい人は指定席を選べる構成となっています。
のぞみは全席指定?

2025年度における東海道・山陽新幹線「のぞみ」号を
全席指定席として運行する期間について1.実施期間
ゴールデンウィーク:2025年 4月25日(金)~ 2025年5月 6日(火)
お盆 :2025年 8月 8日(金)~ 2025年8月17日(日)
年末年始 :2025年12月26日(金)~ 2026年1月 4日(日)
2.対象区間および列車
上記期間中の東海道・山陽新幹線(東京~博多間)を運転する、全ての「のぞみ」号3.その他
・全席指定席の期間は、新幹線定期券「FREX・FREXパル」を含む、自由席に限
りご乗車いただけるきっぷ(自由席特急券等)をお持ちのお客様は、「のぞみ」号で
はお座りいただけません。
・上記期間中も、「のぞみ」号以外の列車(「ひかり」
JR東海の方針転換

これは自由席での混雑や座席トラブルの防止、インバウンド対応の一環として導入される方針です。
自由席利用者への配慮は?
これまで自由席を利用していた人々にとっては利便性の低下となるため、JR側は「指定席予約のしやすさ」「きっぷの取得手段の多様化」などで対応する見込みです。
新幹線で席指定をしないとどうなる?
自由席なら指定不要
指定席を予約しない場合は、自由席のある列車であれば自由席車両に座ることができます。
ただし混雑時には立って移動するか、空席が見つかるまで待つ必要があります。
全席指定列車では要注意
「はやぶさ」や2025年以降の「のぞみ」など全席指定の列車においては、指定を取らずに乗車した場合、その場で車掌が空席を案内するか、立席特急券として扱われる場合もあります。
無指定乗車はペナルティの対象ではないものの、快適な移動は難しくなります。
新幹線の指定席はどうやって取るの?

駅やネットでの予約が可能
指定席は以下の方法で購入できます:
- 駅の窓口(みどりの窓口)
- 自動券売機(多言語対応機あり)
- JRの公式オンラインサービス(e5489など)
- スマートEX、EX予約アプリ
訪日外国人用には「ジャパンレールパス」対応の専用窓口や端末も設けられており、観光需要に配慮した設計がなされています。
指定席券の例
指定席を予約すると、日時、号車、座席番号が印刷された券が発行されます。
車掌はこれを基に検札を行うため、持参と提示が必須です。

駅の券売機で簡単に取れました!
指定席トラブルの実例とその背景


誤解による着席が多い
訪日観光客が誤って指定席に座ってしまうのは、制度の違いや言語の壁によるものが多いとされます。
たとえば欧州では「誰か来たらどけばいい」という文化もあり、日本のように最初から座らない前提ではないのです。
鉄道会社の表示に課題
駅構内や車両内の表示が日本語中心で、英語や中国語の表示が十分でない駅もまだ存在します。
案内不足がトラブルを未然に防げない一因です。
外国人着席トラブルの対応策
乗客の対応として
自分の指定席に他人が座っていた場合は、無理にどかそうとせず、まず車掌に連絡するのが推奨されます。
大半は誤解によるもので、冷静な対処が必要です。
鉄道会社ができること
- 全面多言語表示の導入
- 案内所での制度説明の強化
- 自動券売機のインターフェース改善
- 検札強化による未指定着席の抑止
- 多言語化で誤解を防止
- 車掌の巡回を強化
- シンプルな制度設計へ
- AIや音声案内も有効
まとめ
- 新幹線では、指定席と自由席が混在しています。
- 指定をしないと、空席次第で立つ可能性もあります。
- 指定席は駅やネットで簡単に予約できます。
- 外国人の誤座は、制度や文化の違いが背景です。
- 多言語対応と制度の明確化が、今後の鍵です。
※新幹線の最上級座席「グランクラス」とは
グランクラスはJR東日本の新幹線で最上級の座席です。東北・北海道・北陸・上越新幹線で導入され、ゆったりしたシートと上質なサービスが特徴です。
座席は横3列で、グリーン車よりさらに広く快適です。人間工学に基づいたリクライニング機能や、デスクライト付きのテーブルもあり、仕事や休息に最適です。
「飲料・軽食あり」と「なし」の2種類があり、サービス内容は列車種別により異なります。軽食付きの場合、アテンダントによる飲食やアメニティの提供があります。
東京駅では乗車前に「ビューゴールドラウンジ」が利用可能で、出発前も快適に過ごせます。
料金はグリーン車との差額が数千円で、上質な移動体験が可能です。ビジネスクラス感覚のぜいたくな移動を楽しみたい人におすすめです。