「子どもが子どもを狙う」──そんな衝撃的な事件が、東京都足立区の小学校で発生しました。
体育の授業中、児童2人が同級生の水筒に入眠導入剤「メラトベル」を混入させたのです。幸い、他の児童の機転で被害は未然に防がれましたが、その背後には、鍵の盗難・施錠管理の甘さ・報告義務の欠如といった重大な管理ミスが重なっていました。
さらに、児童らは「困らせてやろうと思った」と動機を語り、薬は家庭から持ち出されたものだったとされています。
この記事では、事件の概要と動機、学校と警察の対応、そして社会の反応を詳しく追います。
事件の概要:水筒に混入された「メラトベル」
2025年9月26日、足立区内の小学校で、2人の児童が体育の授業中に別の児童の水筒へ入眠導入剤「メラトベル」3袋を混入。
幸いにも、別の児童が不審な動きを目撃し、職員に報告したことで水筒の中身は飲まれる前に廃棄され、健康被害は生じませんでした。
学校と足立区は「警察にも相談済みであり、未遂であることから刑事上の被害は発生していない」としています。
鍵の盗難と侵入:管理体制の甘さが露呈
混入が行われた教室は本来施錠されていたはずでしたが、児童の1人が約2ヶ月半前に盗んでいた鍵を使用して侵入。
教員は鍵の紛失に気付いていたものの、校長に報告しておらず、その結果、対策が取られないまま事件につながったのです。
こうした管理体制のほころびが、今回の事件を未然に防げなかった主因と見られています。
- 児童2人が同級生の水筒に「メラトベル」を混入
- 「困らせてやろうと思った」と動機を説明
- 薬は1人が自宅から持参、家庭内から持ち出された
- 鍵は2ヶ月前に盗まれ、侵入手段に
- 教員は紛失を把握も、校長に未報告
- 目撃児童の通報で未遂に終わる
- 警察には相談済み、被害は発生せず
なぜ「メラトベル」だったのか? 混入の動機とは
メラトベルは小児向けの入眠導入剤で、本来は医師の処方を要する薬です。
調査によると、薬は児童の1人が自宅から持参したものであり、家庭内からの持ち出しが行われていたとされています。
2人は「困らせてやろうと思った」と話しており、いじめや深刻なトラブルは確認されていないものの、家庭・心理的背景の調査が進められています。
学校の対応と保護者への説明
事件から1週間後の10月3日、学校は保護者説明会を開催。校長は謝罪の上、施錠管理や情報共有の不備を認め、再発防止策の導入を表明しました。
具体的な対応としては以下が示されています:
- 教室鍵の保管体制と記録の電子化
- 紛失時の即時報告と管理責任の明確化
- 薬品や危険物の持ち込みに関する家庭との連携強化
SNS・地域社会の反応
SNSでは「怖すぎる」「親はどう管理していたのか」「子どもの行動とは思えない」といった驚きと怒りの声が殺到。
また「鍵が盗まれたまま2ヶ月放置とは信じられない」といった、学校の管理責任を問う声も目立ちました。
地域の保護者からは「安心して通わせられる環境づくりを急いでほしい」という切実な意見が寄せられています。
よくある質問(FAQ)
A. 警察に相談はされたものの、被害は発生しておらず、現時点では学校内での指導対応にとどまる見込みです。
A. 児童の1人が自宅から持参したとされ、家庭内の薬管理の甘さが課題となっています。
A. 担当教員が「そのうち見つかるだろう」と判断し、校長への報告を怠ったためです。
まとめ:未遂で済んだが、責任は重大
今回の事件は、被害が出なかったとはいえ、きわめて重大な未遂事件です。
動機の軽視、薬物の家庭管理の不備、そして学校のずさんな施錠体制と情報共有不足──いずれも子どもたちを危険にさらす要因でした。
学校と家庭が共に責任を見直し、安全対策の再構築を進める必要があります。